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アイ・ペットクリニックの西井先生が作る物語から愛犬・愛猫に起こりえる出来事をレクチャーする企画です。

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02鼻水やくしゃみの原因

Vol.02

8 knowledge

2、【その鼻炎、花粉症?それとも・・・

 

ついに花粉が猛威をふるう時期がやってきました。
人もわんちゃん・ねこちゃんも花粉症に悩まされることがありますが、時に怖い病気が隠れていることもあるのです…。

 

□看護師「先生、次の患者さんは鼻水とくしゃみ・鼻づまりがなかなか治らず、呼吸もしづらそうで心配になって来られたそうです。ねこちゃんも花粉症があるって聞いたからそれなのかな?とおっしゃっていました。」

 

■西井「確かに、ニュースでも花粉情報が出るようになってきたもんね。でもこのねこちゃん、今までに同じような症状になったことがないよね…。今回が初発なのかな?」

□看護師「今回が初めてらしいです。」

 

■西井「なるほど、それでは一度診てみようか。」

 

診察をするとねこちゃんは、終始鼻の奥に何かつまっているような、いびきに似た呼吸をしていました。

 

□看護師「先生、さっきのねこちゃんにCT検査を強くすすめておられましたが、花粉症ではないんですか?」

 

■西井「あのような呼吸をしていて、くしゃみや鼻水が出てくるのであれば、①感染性鼻炎②異物性鼻炎③歯槽膿瘍④腫瘍、が優先的に考えられるよ。①③が原因であれば抗生物質で改善する可能性があるけど、②④の場合はなかなか改善しないと思うよ。もちろんアレルギー性鼻炎の可能性もあるんだけど、今まで発症していないのに急に発症したことや、あの呼吸の仕方から、鼻の奥に何かあるんじゃないか?という疑いが強かったのでCT検査をすすめたんだよ。」

 

□看護師「確かに歯は悪くなかったですし、呼吸はいびきみたいでいつもと違いましたね。」

■西井「抗生物質を飲んで改善するかどうか経過を見て、治らなかったらCT検査をするという方法もあるけどね。鼻炎っぽい症状だから花粉や感染かな、と安易に考えるんじゃなくて幅広く病気の可能性を考えておかないといけないんだよ。」

 

その後、このねこちゃんはCT検査の依頼をしてくださり、検査の結果、鼻腔内(鼻の中)に腫瘍が見つかり、リンパ腫という診断が下されました。

 

私たちでもよくある鼻炎の症状。

もちろんわんちゃん・ねこちゃんでも発症しますが単純な鼻炎もあれば、歯が原因(虫歯のようなもの)・腫瘍が原因、と他の病気が引き金になっている場合もあります。

今回は呼吸の仕方が違うということがポイントになりましたが、なかなか治らない場合は獣医さんにご相談くださいね。

 

ペットケアセンター アイ・ペットクリニック
< 眼科・腫瘍科・皮膚科・循環器科・CT>
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