06食道内異物のまとめ

6、【その食べ物、のどに詰まらない？】

食欲の秋。おいしい食べ物をたくさん食べたいですよね。でも欲張っちゃうと、とんでもないことになるかもしれないので注意が必要です。

今日は、私たちがよく見る、のどに食べ物が詰まってしまった食道内異物のお話です。

□看護師「先生、おやつを食べてから急によだれがとまらなくなり呼吸がしんどそう、というトイ・プードルちゃんを診てほしいと来院されました。」

■西井「了解、それじゃあ診察室にお呼びして。」

ご家族の方に問診をして…。

■西井「おやつにあげていたリンゴを食べてから症状が出だしたんですね。わかりました。可能性としては、食べたリンゴが食道内にひっかかってしまっている可能性が高いと思います。一度、のどから胃までのレントゲンを撮らせてもらってもよろしいですか？」

許可をいただいたので、レントゲン撮影を実施。

■西井「食道の尾側の方に詰まってそうだね。」

□看護師「ほんとですね、ぽこっと食道が拡張して空気の層が認められますね。これって自然に流れて胃にいかないですか？」

■西井「自然に流れる場合もあるけど、流れなかったら食道にダメージが蓄積するからね。ご家族に相談して、内視鏡で胃内に押し込むのが確実だと思うよ。」

ご家族に状況を説明し、内視鏡による処置を希望されたので実施することに

□看護師「内視鏡で摘出じゃなくて胃内にいれるんですね。」

■西井「今回はリンゴだから胃内に入れば消化されていくからね。内視鏡で取り出そうとしても柔らかいから掴んでもボロッと崩れちゃうんだよ。これが消化されないようなものなら摘出しないといけないけどね。たとえば一時期多かったマスクとか。よし、詰まってるリンゴみつけたよ。このまま胃内に押し込むね。…はい、これで胃内に入ってくれたのを確認したから終了です。」

いつも食べているものであっても、ちょっとした大きさの違い、丸飲みしてしまったなどにより不意に食道に引っかかってしまうことがあります。

実際に経験したことがある食道内異物は、リンゴ、トマト、さつまいも、ニンジン、とんかつ、ジャーキー、アキレス腱、ビスケットです。多くは、食べた後に苦しそうにしたり、よだれがとまらない、空えずき、のどを掻きむしるようなそぶりをするといった症状を示します。

ただ、この中でも気づくまで時間がかかるのが、ジャーキーやアキレス腱など食べるのに時間がかかるタイプのもので翌日、症状に気付く場合もあります。

詰まり方がひどいと呼吸ができなくて窒息してしまう場合もありますので、食べ物をあげるときは大きさや食べる量を気にしながら与えましょうね。

ペットケアセンター アイ・ペットクリニック
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