10_耳のトラブル

10、【耳掃除って必要?不必要?】

□看護師「先生、さっきのわんちゃんに『基本的に家では耳掃除をしなくてもいいですよ』って言っていましたが、汚れていてもしなくていいんですか?」

■西井「そうだね。耳のふちについている汚れは優しく拭き取ってもいいけど、耳の中を綿棒でゴシゴシするのは、できればやめた方がいいと考えているんだよ。これはわんちゃん・ねこちゃんの耳の構造が関係するんだけど、耳の構造がどうなっているか知ってるかい?」

□看護師「人の場合は、耳の穴から鼓膜まで（耳道という）直線ですが、わんちゃん・ねこちゃんはL字型になっているんですよね。」

■西井「そう、L字型になっているのが人と違うところだよね。つまり、目で見えているところはL字型の一部分で、無理に掃除をすると耳垢を奥に押し込んでしまう可能性があるんだよ。」

□看護師「なるほど。それで家で耳掃除をすると逆に悪くなっちゃう可能性があるから、『しなくてもいい』って言っていたんですね。」

■西井「基本的に、わんちゃんもねこちゃんも耳掃除をしなくても勝手に耳垢が排出される仕組みになっているしね。耳垢には、①耳道表面の保護 ②耳道内のバイ菌の増殖を抑える③異物を入りにくくしている、という3つのれっきとした役割があるんだよ。

難しいのは耳垢がもともと多い子もいれば、外耳炎で増えている子もいるから、そのあたりの解釈を間違えると過剰な耳掃除になって、 逆に耳が悪くなってしまうんだよ。」

□看護師「たかが耳掃除、されど耳掃除…なんですね。家では耳掃除を嫌がる子もいるって聞きますから、耳掃除をした方がいいか迷ったときは、病院かトリミングサロンで相談するのが一番ですね。」

■西井「そうだね。家で見ていて耳がおかしいかな?というサインは、①耳をかゆがる②耳の穴が赤い③耳垢が急に多くなった、というときだよ。耳毛が多い子は、耳垢が耳毛に絡まって外耳炎を引き起こすこともあるから、いずれにせよ病院やトリミングサロンで相談するのが一番だね。」

日頃のお手入れ!!のつもりでやっていた耳掃除ですが、

耳が悪くなるときもあるので注意が必要ですね。

《耳のトラブル》

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