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アイ・ペットクリニックの西井先生が作る物語から愛犬・愛猫に起こりえる出来事をレクチャーする企画です。

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04ヘビに咬まれたら•••

Vol.04

8 knowledge

4、【お散歩時のヘビにご注意を

 

□看護師「先生、『わんちゃんが昨晩の散歩時にキャンと鳴いて、家に帰ってから顔がだんだん腫れてきておさまらない』とお電話が入っているのですが、すぐ来てもらいますか?」

 

■西井「そうだね、この時期だとヘビ咬傷の可能性があるから来てもらおう。」

 

□看護師「先生なぜヘビだと思われるんですか?アレルギーによる顔面性蕁麻疹もあると思うのですが…。」

 

■西井「キャンと鳴いたという話だから、痛みが伴う何かがあって腫れたのかなと思ってね。顔面性蕁麻疹でも腫れがおさまらないなら治療しないといけないし、まずは診てみてからかな。」

 

 

しばらくして、わんちゃんが飼い主様と来院されました。診察してみると・・・。

 

 

□看護師「先生がおっしゃっていたように咬まれた傷がありましたね。ヘビの毒で、あそこまで顔がパンパンになるんですね。」

 

■西井「ワクチンアレルギーの顔面性蕁麻疹よりもひどく腫れるよ。日本にいる毒ヘビは3種類で、このあたりだとマムシかヤマカカシが原因だけど、たぶんマムシかな・・・。ヤマカカシは毒牙が口の奥についているから、かなりガッツリ咬みつかないと毒は入らないし。」

 

□看護師「そうなんですね。血液検査まで行われたのは溶血のチェックですか?」

 

■西井「そう。ヘビ毒には赤血球を溶血する(溶かす)作用があるから、貧血がひどくないか?それによって血色素尿(血尿)が出ないか?腎臓や肝臓にダメージがいっていないか?を調べたんだよ。」

 

□看護師「特効薬というものがないから、症状が落ち着くまでの対症療法ですね。この子の場合、顔の腫れと傷口の出血以外に大きな異常がなかったのは良かったですね。」

 

■西井「そうだね。時間が経つと皮膚の組織がやられて壊死しちゃう場合もあるから、経過は慎重に診ていかないといけないけどね。稀にショックや呼吸困難で命にかかわる場合もあるから、ヘビに咬まれた可能性があるなら夜間救急に行くのも選択肢のひとつだね。」

 

 

梅雨の時期は、ヘビのエサとなるカエルも多くなるので遭遇率が上がります。

わんちゃんは興味があるものに対してクンクンにおいをかぎに行くので、その時にヘビがびっくりして咬んでしまうことが多いです。ゆえに、顔や前足の受傷率が高いです。注意するのはなかなか難しいですが、わんちゃんもご家族もヘビにはお気をつけください。

 

ペットケアセンター アイ・ペットクリニック
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