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03エイズや白血病の感染を防ぐ
Vol.03
8 knowledge
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アイ・ペットクリニックの西井先生が作る物語から愛犬・愛猫に起こりえる出来事をレクチャーする企画です。
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3、【なぜ、ねこちゃんは外に出さない方がいいの?】
昔、ねこちゃんは家の中と外を自由に行き来して自由奔放にしていましたが、今は完全室内飼育が多くなってきました。
それでもねこちゃんは冒険心が強く外に行きたがったりします。外に出すことがなぜダメなのでしょうか?
□看護師「先生、毎年この時期は仔猫の保護が多いですよね。」
■西井「そうだね。暖かくなってくると、ねこちゃんの繁殖期が始まるから、おのずと保護されることも多くなるね。それでも昔に比べるとTNR(野良ねこちゃんを捕獲して不妊手術を行い、元居た場所に戻す活動)が多く行われるようになって数は減ったと思うけどね。」
□看護師「保護された仔猫ちゃんが来ると、エイズや白血病になっていないかといつも心配なんですよ。」
■西井「私もそう思うよ。自分が飼っているねこちゃんが、エイズや白血病に感染しないようにするためには、感染しているねこちゃんとの接触をさけることが大事なんだよ。」
□看護師「ケンカによる血液・唾液感染やグルーミングによる唾液感染が多いですもんね。あとは感染した母猫から仔猫への胎盤感染。一応ワクチンもあるんですよね?」
■西井「そうだね、エイズも白血病もウイルス自体は弱いウイルスだから『グルーミングしたから必ず感染する』とか『必ず胎盤感染する』とは言えないんだ。でも可能な限り感染リスクは避けた方がいいから、自由に家の外に出さない方がいい、と伝えているよ。ワクチンもあるけど、事前の予防策で感染のリスクを低くするものであること、またワクチン接種部位肉腫といわれる腫瘍になりやすいと言われているから、ホイホイ打つものじゃないと思っているよ。」
□看護師「ウイルスを持っているだけで、発症していないねこちゃんもいるんですよね?」
■西井「そうなんだよ。エイズも白血病もウイルス検査で陽性が出てもすぐに病気になるわけじゃない。ウイルスが体の中で悪さをし始めると発症し、エイズなら免疫不全になり普段なら軽症の風邪が重症化したり(日和見感染)、白血病は貧血を起こしたり、リンパ腫といわれる悪性腫瘍を引き起こしたりするんだよ。」
ねこちゃんを飼っておられる方ならご存じのエイズ・白血病。ウイルスを完全になくす薬がまだ無い現在では、ねこちゃんにとって嫌なウイルス3つのうちの2つですね(もうひとつはFIPという猫伝染性腹膜炎)。
すでにおうちにねこちゃんがいる場合、仔猫の保護をする時に慎重にならないといけないのはこういった理由があり、今おうちにいる子も守らないといけないからなんです。
ペットケアセンター アイ・ペットクリニック
< 眼科・皮膚科・循環器科・CT>
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