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アイ・ペットクリニックの西井先生が作る物語から愛犬・愛猫の病気のサインをレクチャーする企画です。

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06 膝蓋骨脱臼

Vol.06

sick signatures

6、【「パテラ」として知られている膝蓋骨脱臼

 

うちにはチワワのタクオがいます。昨日、ドッグランに行って気づかなかったのですが、今朝から急に右の後ろ脚をかばいながら歩いています。
触っても痛そうにはしないのですが、昨日ドッグランで走り回ったせいかな?と思いしばらく様子を見ることにしました。
しかし、2日経っても一向に良くなりません。
そこで、動物病院に連れていくことにしました。

 

□私「先生、3日前から右の後ろ脚を引きずっています。4日前にドッグランに行ったので、そのせいかな?と思っていたのですが一向に良くならなくて…。」

そう言って、先生はタクオの後ろ脚を調べ始めました。

■先生「タクオちゃんですが、膝蓋骨脱臼という膝の脱臼が原因と考えられます。」

で私はハッとした。確か小型犬は膝がはずれやすいと聞いたことがある!!

□私「先生、パテラというやつですか?原因はドッグランで走らせすぎた事でしょうか?」

■先生「そうです。膝蓋骨と呼ばれる、膝のお皿が外れる現象のことです。基本的には膝に大きな力が加わったことが原因で脱臼しますが、膝蓋骨が収まっている溝が浅いことではずれやすい場合もあります。日常的に階段を上り下りしたり、ジャンプをしたり、床がフローリングで滑っていたりしませんか?」

□私「…先生、全部、当てはまります。」

■先生「そうですか・・・単純に脱臼だけが問題ならいいのですが、同時に靭帯損傷している場合には手術が必要なので、レントゲンを撮ってもいいですか?」

□私「お願いします。」

レントゲン撮影が終わって、レントゲンが見れる部屋に案内されました。

■先生「幸いなことに、ファットパットサインと呼ばれる前十字靭帯を損傷しているサインが認められないので、今回の跛行(足を引きずったりする異常歩行)の原因は膝蓋骨脱臼でしょう。鎮痛剤を出しておきますので、最低でも1週間は安静にしてください。」

□私「先生、それでタクオは治りますか?」

■先生「経過次第です。脱臼の程度が軽減されればこのまま付き合っていく事になります。その場合は、膝にかける負担を減らすために、体重を増やさないようにする、フローリング等で滑らないようにする対策が必要です。しかし、脱臼の程度が変わらなかったり、悪化する場合には膝の手術が必要になります。」

□私「わかりました。帰ったらさっそく滑り止めのマットを敷くようにします。」

 

幸いにも、タクオの脱臼は程度が軽減し、現在は膝に負担をかけないような生活を意識しています。

 

膝蓋骨脱臼のサイン

・後肢の跛行(足を引きずったりする異常歩行)が認められる

 

 

ペットケアセンター アイ・ペットクリニック
< 眼科・腫瘍科・皮膚科・循環器科・CT>
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