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アイ・ペットクリニックの西井先生が作る物語から愛犬・愛猫の病気のサインをレクチャーする企画です。

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05 膀胱炎

Vol.05

sick signatures

5、【猫×頻尿×膀胱炎

 

うちにはウルという保護猫がいます。もうすぐ2歳になるやんちゃな女の子です。
毎日、排便・排尿は良好なのですが、今日のトイレチェックで、おしっこの塊が確認できませんでした。少し様子を見ていると、何度もトイレに行っておしっこをするそぶりをしますが一向に出ません。これはおかしい!!と思い、動物病院へ連れて行くことにしました。

 

■先生「ウルちゃん今日はどうされましたか?」

□私「今日気付いたのですが、トイレでおしっこをする姿勢をとるのですが全然出ていないみたいで・・・」

■先生「なるほど。今、お腹を触る限り、おしっこがたまりすぎているわけではないのでおそらく膀胱炎だと考えられます。膀胱炎だとすると原因は大きく3つ考えられます。①特発的②結石性③腫瘍性です。エコー検査をすると原因の追究ができますが、させていただいてもよろしいですか?」

□私「よろしくお願いします。」

 

検査が終了しウルが戻ってきました。

 

■先生「結果から言うと、結石性の膀胱炎です。これがエコー検査の結果ですが、膀胱の中に白い塊がみえます。これが結石です。この結石が膀胱の壁を刺激することで残尿感が生じ頻尿が出ています。」

□私「この結石はいつからあったのですか?治るのでしょうか?」

■先生「結石ができ始めた時期はわかりません。結石には、溶けてなくなるタイプと溶けないタイプに分かれます。今回の結石が溶けるタイプであれば治る見込みはあります。膀胱炎治療のための抗生物質と結石に合わせた療法食による治療です。しかし溶けない結石の場合には、手術で結石を除去する以外に方法はありません。本日はおしっこが少量しかたまっておらず、尿検査ができませんでしたが後日、採尿して持ってきていただければ結石の成分が出ていないか調べることができます。」

□私「わかりました。採尿して持ってきます。」

■先生「ありがとうございます。本日は、膀胱炎に対して、抗生物質を処方しておきますね。」

 

後日、おしっこを持っていき尿検査をしてもらった結果、ストルバイト結石であることがわかりました。この結石は、療法食により溶かすことができる結石らしいです。幸いなことにウルはこの療法食を食べてくれ、1ヶ月後の再検査では、結石が溶けて消えていまいました。今回、尿検査のありがたみがわかりました。

 

膀胱炎のサイン

・頻尿(何度もトイレに行くor 数滴しか出ない)
・血尿が出る

 

 

ペットケアセンター アイ・ペットクリニック
< 眼科・腫瘍科・皮膚科・循環器科・CT>
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