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02 乳腺腫瘍
Vol.02
sick signatures
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アイ・ペットクリニックの西井先生が作る物語から愛犬・愛猫の病気のサインをレクチャーする企画です。
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2、【わんこのおっぱいのしこり これって癌なの?】
うちには、11歳になるミニチュア・ダックスフントの女の子、ふうちゃんがいる。今日は、フィラリアとノミ・マダニ予防のために動物病院にきました。家での様子もいつもと変わりないし、年の割には元気な方だと思っていました。そう、診察を受けるまでは…
■先生「おはようございます。ふうちゃん今日は予防ですね〜、何か気なることはありますか?」
□私「いえ、元気にしてて気になることはないです。」
■先生「では、体重を測って身体検査していきますね〜。ん??」
と、ここで先生からふうちゃんのおっぱいに2cmほどのしこりがあることを指摘された。
いつからだろうか?私には心当たりがない。
■先生「このしこりは乳腺腫瘍の可能性が高いです。乳腺腫瘍は良性と悪性の2つに分かれ、その確率は50%です。この判断をするためには、手術でしこりを取り除き、病理検査に出して、良性・悪性の判断をしてもらう必要があります。」
□私「先生、もし悪性…つまり乳癌だった場合にはどうなるんですか?」
■先生「悪性度というのに応じて変わってきます。悪い場合にはリンパ節と呼ばれるところに癌が進行していく転移というのがおこっていないか調べるため、拡大切除手術が必要になる場合があります。リンパ節転移があった場合には、ほかの見えないところにも転移が進んでいる可能性があるので、癌の進行具合によっては他の部分に異常が出てくる可能性もあるでしょう。」
□私「早い方がいいですね…先生、ふうちゃんの手術お願いします。」
こうして、何事もなく終わると思っていた予防の診察は思わぬ病気の発見へとつながってしまった。
あとは、手術が無事に終わり、できものが良性であることを願うのみ。
ところが、返ってきた結果は皮肉にも「癌」だった…
□私「先生、どうすればいいでしょうか?ふうちゃんの余命は短いのですか?」
■先生「ふうちゃんの乳癌は悪性度が高いという結果が出ています。進行が早くてリンパ節に転移しているのかどうかを調べないといけません。拡大切除手術を行って、リンパ節に転移があるかどうか調べるのが最善でしょう。リンパ節に転移がない場合には、完治の可能性が高まります。逆に転移があった場合には、進行具合により状況は変わってきます。」
□私「わかりました。拡大切除手術をお願いします。」
こうして2度目に行われた拡大切除手術で、リンパ節転移はしていないことがわかった。のちに調べてわかったことだが、ふうちゃんが仔犬のころ、初めての発情が来る前に避妊手術をしておけば、この「乳癌」の発生を少なくすることができたのだ。病気になって初めて、避妊手術の大切さを知ることになった。
乳腺腫瘍のサイン
・脇から内股にかけてお腹をゆっくりさすったときに乳頭とは違う「コリッ」としたしこりがある場合は乳腺腫瘍の疑いがあります。
見つけたら先生に相談しましょう!
避妊手術をしていない場合や2回目の発情以降に避妊手術をした場合は要注意!!
※乳腺腫瘍は事前に予防してあげることができる病気です。早期の避妊手術により乳腺腫瘍の発生を大幅に低下させることができます。
ペットケアセンター アイ・ペットクリニック
< 眼科・腫瘍科・皮膚科・循環器科・CT>
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