09_毛球症

9、【家でのブラッシングって重要？猫の毛球症】

□看護師「先生、うちのソラが昨夜からすごく吐いていて、しかも食欲がないんです…。何か病気でしょうか？」

■西井「ソラが食べないのは問題だね。もうシニア期になっているから、何か病気の片鱗がないか調べてみるね。」

血液検査の結果を待つ間の、お腹のエコー検査中…。

■西井「これ、腸に何か詰まってそうだけど心当たりある？おもちゃを誤食したりとか。」

□看護師「誤食はしないように気をつけているので大丈夫だと思いますが…。」

■西井「血液検査は問題ないから、そうなるとソラの場合、長毛種だから毛玉が詰まっている可能性も考えないといけないね。念のため、完全に詰まっているのかどうか造影レントゲン検査をして確かめようか。」

造影レントゲン検査は、ヒトでいうところのバリウムのようなものを飲んでもらって胃腸の流れを確認する検査です。

■西井「造影検査では、液体は通過していそうだね。全部の結果を見て考えると、急いで内視鏡検査とかをする必要はなさそうだよ。今の時期が換毛期であることとソラが長毛種であることから、毛玉がうまく吐けなかった、もしくは毛玉が腸の中を通過しにくくてひっかかっていると考えられるね。食べれていないし吐いてもいるから皮下点滴をしておくのと、毛玉を排出させやすくするためにラキサトーンを内服させてあげてね。」

□看護師「わかりました。」

2日後には、便と一緒に毛玉の塊が出てきて、ソラの食欲と吐き気は回復しました。

□看護師「先生、毛玉が詰まらないようにする予防ってあるんですか？」

■西井「うーん。難しい質問だね。絶対に詰まらないようにする方法はないけど、詰まりにくくする予防はあるかな。たとえば、ブラッシングをこまめにして抜け毛を除去すること、毛玉除去のラキサトーンを与えること、フードをヘアボールコントロール系に変えること、などかな。」

□看護師「ブラッシングはこまめにしている方なんですが、なるときはなっちゃうんですね…。」

ねこちゃんは、グルーミングなどで口から入った毛玉を吐いたり便と一緒に出したりしますが、毎回必ず出せるとは限りません。

特に長毛種の場合は毛が長いので胃の中で大きな塊になり、影響を及ぼす場合があるので注意が必要です。

たかが毛玉ですが、完全に腸で詰まってしまった場合は手術で取り出さないといけない場合もあるので、日頃のケアを見直してみましょうね。

《毛球症》

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