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アイ・ペットクリニックの西井先生が作る物語から愛犬・愛猫に起こりえる出来事をレクチャーする企画です。

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01_チョコレート中毒

Vol.01

what happens

1、【犬猫には毒になるおいしいチョコレート

 

今年もやってきたバレンタインデー。この時期になると多いのが「チョコレートの誤食」。

ネットを調べると少量なら大丈夫とか、少しでも食べたら命に関わるとか、様々な情報が書かれていて心配。
そんなとき、看護師さんから聞かれました。
 

□看護師「先生、実際、チョコレートってどれくらい危険なんですか?先生はよく『その量だったら大丈夫―!!』とか『吐かせるからすぐに連れてきてもらってー!!』とか言ってますが、どうやって判断してるんですか?」

■西井「いい質問ですね。基本的にその子の体重と食べてしまったチョコ
レートの量から判断しているよ。チョコレートがダメな理由は、その中に含ま
れるテオブロミンっていう物質が原因で、わんちゃんでは体重1kgあたり100~200mg、ねこちゃんでは体重1kgあたり80~150mgを口にすると命の危険性があるんだよ。」

□看護師「でも先生、チョコレートの箱にある成分表にはそのテオブロミンがどれだけ入っているか書いていないですよ?」

■西井「そう、そこが難しいんだよ。森○のミルクチョコレート1枚(50g)がおおよそ100mgのテオブロミンを含んでいると言われているので、体重3kgのわんちゃんだと、3枚食べると命の危険があると判断しています。」

□看護師「思っているよりも量が多いんですね。もっと少ないと思っていました。」

■西井「もちろん、その子の感受性によっても変わるし、カカオの含有量が多いチョコレートだともっと少ない量でもダメなときがあるから難しいんだよ。実際どれだけのテオブロミンが含まれているか分からないからね。」

□看護師「チョコレートの種類っていっぱいありますもんね…ちなみにどんな症状が出るんですか?」

■西井「軽い症状なら興奮や下痢嘔吐などの消化器症状。脈が速くなる(頻脈)で重症になると、不整脈や呼吸困難、痙攣が出ます。1日経ってから膵炎や横紋筋融解症、DICといった症状が出てくる場合もあるよ。」

□看護師「それは…怖いですね。食べないように気をつけないといけないですね。」

■西井「そうだね。解毒剤がないから、食べたチョコレートを無理やり吐かせたり、麻酔をかけて胃の中を洗浄したりしないといけないから、万が一食べてしまったらできるだけ早く対応しないとね。」

 

身近にあるチョコレート。大丈夫なときから大丈夫じゃないときまで様々です。

一番は食べてしまわないようにするということが大事ですが、万が一食べてしまった場合は、先生に相談しましょうね。

 

《チョコレート中毒》

ペットケアセンター アイ・ペットクリニック
< 眼科・腫瘍科・皮膚科・循環器科・CT>
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